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仲村トオル 1985 年に映画デビューし、数々の新人賞を受賞。以後、数多 くの映像作品で活躍するほか、近年は舞台にも意欲的である。 主な舞台に『偶然の音楽』(‘05/’08)、『奇ッ怪』 『フロスト/ニ クソン』(’09)、『黴菌』(’10)、『奇ッ怪其ノ二』(’11)、『ハンドダウ ンキッチン』(’12)、『オセロ』(’13)、『夕空はれて〜よくかきくうきゃく』(’14)など。野田作品へは、NODA・MAP 第17回公演 『エッグ』初演に続き、今回2度目の出演となる。本年9月より KERA・MAP『グッドバイ』に出演。(北九州公演あり) 既に制作 が発表されている映画『さらば あぶない刑事』にも出演予定。

仲村トオル <凄い引力のある物語>で<いろいろな解釈ができる>というところが『エッグ』の魅力でしょうか。

2012年、観客を熱狂の渦に巻き込んだNODA・MAP 第17回公演『エッグ』。何と初演を務めたメインキャスト8名が再び結集し、東京、大阪、北九州、パリでの再演が決定しました。架空のスポーツ種目「エッグ」でオリンピックを目指すアスリート、物語の中枢に携わる粒来幸吉という男性役を演じる仲村トオルさんに、舞台再演への意気込みや思いをお伺いしました。

NODA・MAP第19回公演『エッグ』で日本代表のベテランアスリート・粒来幸吉役を演じられる仲村さんですが、2年ぶりの『エッグ』再演が決定したときのお気持ちをまずお聞かせください。

“やったー!”というよりは“やるのかー!あのしんどいのをまた”という気持ちでした。“エーッツ、しかもフランスでもー?わかるのかぁー?”とも思いましたね。日本人のお客様にも、一度で伝わるのか?というような芝居ですから。いずれにしても[緊張]とか[不安]のほうが[喜び]よりも大きかったです。

2012年の初演時から再演決定までの間になんと2020年東京オリンピックの開催が決定しましたね。劇中でも度々「東京オリンピック」という台詞が連呼され、観客も『エッグ』の世界をより身近に感じられると思います。その辺りも含めて、初演時と今回の『エッグ』に対して変わったところ、また変わらないところなど教えてください。

初演と再演は台本上はそれほど大きな変更はないんです。でも、今回もっとも変化したのは、まさに初演時には未だ決まっていなかった2020年の<東京オリンピック>が、2015年の今は、決まっているということですね。演じる側もお客様も2020年には<東京オリンピック>がある、という共通認識が確固としてありますから。でも、僕自身は初演時に劇中の<過去の東京オリンピック>は凄く遠い過去のように感じていたんですが、逆に2020年が決まった今、劇中の<過去の東京オリンピック>は、それほど昔のように感じず、むしろ“何だか繋がったぞ”というように思えます。もしかしたら、お客様にも、そんなふうに感じてもらえるかもしれませんね。  あとは…稽古初日に“そう簡単には変わらないんだな”と思ったんですよ。お客様の前で、本気で61回演って刻み込まれたものは、そう簡単に変わらないというか、薄れないという感じがしました。

アスリートにとっての2年はとても大きなものだと思いますが、仲村さんにとってこの2年という期間はいかがでしたか?

2年前と同じことをやると、変化…望むべくは進化ですが、それがとてつもなくクリアに見えるのだろうな、と思っていました。でも先にも答えたように、61回お客様の前で演ったことで付いた<筋肉>、もちろん、ほかの仕事をやってついた<筋肉>もありますが、そういった<俳優的筋肉>のようなものがついたのでしょうか…。最初に再演の話を聞いたときほど、実際には<重たい>と感じていないんですね。かと言って<軽い>わけではない。そうですね…この役を背負って前より速いスピードで走れる<俳優筋>がついたような2年間ですね。

同じキャストでの再演に対しての率直な気持ち、再び同じ舞台に立ってみていかがですか?

もともとお持ちである力が強い方たちばかりが再び結集するので、自分のことはさておき、元々、そういう面では不安は 続きinformation NODA・MAP 第19回公演 『エッグ』◇作・演出/野田秀樹 ◇音楽/椎名林檎
◇出演/妻夫木聡、深津絵里、仲村トオル
    秋山菜津子、大倉孝二、藤井隆、野田秀樹、橋爪功 ■日時/4月16日(木)19:00、17日(金)19:00、18日(土)13:00/18:00、
    19日(日)13:00 ※開場は開演の30分前
■会場/北九州芸術劇場・大ホール
■料金/当日券全公演販売します ※前売完売 ※未就学児入場不可
■お問合せ:北九州芸術劇場 ☎093-562-2655
架空のスポーツ種目“エッグ”に情熱を注ぎ、オリンピックで栄光をつかむ日を夢見続ける二人のアスリート。そして彼らの間で歌い、踊り、そして心揺れ動く女性シンガーソングライター。二十世紀最大のカルチャーとして君臨した“スポーツ”と“音楽”。そこに向けられる大衆の熱狂。愛情、嫉妬、世代交代。様々な私欲が絡み合い、さらに時代の見えざる手に翻弄される登場人物たち。しかし、物語の表層は徐々に――それこそ卵の殻の如く――ヒビが走り始め、内包していた“真の姿”を観客の前にさらけ出していく。果たして迎える予想も付かなかった結末は、現代を生きる我々がかつて“知った気になっていた”、哀しく鮮烈な、かの時代へのレクイエムを描き出すのだった…。

なかったんです。実際に稽古、本番と演ってみると、それは やはり、繰り返しになりますが、61回の経験値とはこういうことなのだな、と安心して演れている。それから…たとえば妻夫木クン自身も、演じる阿倍という役も、初演のときより、さらに溌剌とした人間になってるなー、など、いい意味での発見は日々いろいろとあります。

スピード感、予測できないストーリー展開など『エッグ』には多くの魅力がありますが、仲村さんが思う魅力はどこでしょうか?

時代が作品に近づいてくるというか、さまざまなものを惹き寄せるというか…<凄い引力のある物語>で<いろいろな解釈ができる>というところが『エッグ』の魅力でしょうか。台詞だけでなく、たとえば、カーテンの裏で必死に走る!というようなことも含めての身体表現でも楽しませるという作品、というところも、いいと思います。

仲村さんが演じられる粒来幸吉という役割についてお聞きします。粒来幸吉の『エッグ』の中の役割、また、粒来を演じるにあたってこだわった部分や難しい部分はありましたか?

役割は、阿倍を粒来にしていくのが役割ですが、こだわったのは“粒来はとにかくベテラン・カリスマ・アスリートに、語らずとも見えなくてはならない、つまりはそういう身体でなければならない。ということは、人に見えないところでかなり努力をしているだろうし、贅肉がついているわけがない。そういう人を演らないとな…そういうように演じよう”ということで、そういう身体をつくり、長い公演期間中、維持していくのが、難しい部分です。

野田秀樹さんの演出について、仲村さんご自身が感じられたことをお聞かせください。

演出というか、スタッフへの指示という範疇と思しきことまで含めて、関わるスタッフ、キャスト一人ひとりの能力を惹き出す力が凄いと思います。皆、自由にやっているように感じられるのだけど、結果的にはすべて野田さんのためになるようになっているというか…。もちろん野田さんにもアイデアはちゃんとあるんだろうけど、先ず、皆に、役が面白くなるようなアイデアを考えさせていく…。そう、ひと言で言えば、野田さんの演出は“人の能力を惹き出す能力が凄い”んです。

今回は東京公演のみならず、大阪、北九州、そしてパリでも上演されますが、意気込みをお聞かせください。

北九州には、初演と大阪までの再演とを合わせると、100公演を超えた状態で伺うことになります。“研ぎ澄まされた『エッグ』”なのか“研ぎ過ぎた『エッグ』”なのかはわかりませんが(笑)、いずれにせよ、言えることは、かなり貴重な、かなり珍しい状態で、北九州に乗り込むことになりますので、ご期待ください!

 

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