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瑛太(えいた)1982年、東京都出身。02年『青い春』のオバケ役で映画デビュー。07年『アヒルと鴨のコインロッカー』では第22回高崎映画祭の最優秀主演男優賞を受賞。その後、様々な映画で日本アカデミー賞、報知映画賞、ブルーリボン賞を含む数々の助演男優賞に輝く。『大鹿村騒動記』(11)、『一命』(11)、『ワイルド7』(11)、『僕達急行 A列車で行こう』(12)、『モンスターズクラブ』(12)ほか現在の日本映画を代表する監督たちの作品に参加。またドラマでも話題作に多数出演し、近年では舞台にも活躍の場を広げている。 松田龍平(まつだりゅうへい)1983年、東京都出身。99年『御法度』でデビューし、同作で日本アカデミー賞、ブルーリボン賞をはじめとする新人賞を軒並み受賞。02年『青い春』で瑛太と初共演。その後、数多くの話題作に出演、近年では『蟹工船』(09)、『探偵はBARにいる』シリーズ(11・13)、『北のカナリアたち』(12)など。『舟を編む』(13)では日本アカデミー賞ほか報知映画賞、キネマ旬報ベスト・テンなど多数の主演男優賞を総なめにする。今後は『ザ・インド GOKUDO』(14/11月公開予定)、『ジヌよさらば~かむろば村へ~』(15/春公開予定)の公開が控える。

10年近く付き合ったから出る精神的な距離感や意識の張り合いがある(by瑛太)
きっと運がいいんだと思う、お互い30歳でこの役を演じることが出来て(by松田龍平)

2011年の映画『まほろ駅前多田便利軒』、そして2013年の連続ドラマ「まほろ駅前番外地」を経て、累計120万部突破した三浦しをんのベストセラーシリーズが再び、映画化。三十路男の便利屋・多田と助手の行天の名コンビが帰ってきた!! 名コンビを演じるのは、もちろん瑛太さんと松田龍平さん。プライベートでも10年来の親友という2人から、最新作『まほろ駅前狂騒曲』の魅力を探った。

―まずは完成した作品を観た時の感想を教えてください。

瑛太:タツさん(監督)が作る前から「パート1の時よりも、エンタテイメントに寄せていきたい」って言っていたんです。もちろんそれは演じる上ですべてを変えようとか、変えなきゃいけないものという訳ではなくて。初めて観た時は楽しめる作品にはなっているなって思いました。凄く大きなアクションがあったりとか、ラブシーンがあったりする訳じゃないけど、作品を観ていて、何かが伝わるっていうのを僕の中で感じたので、そういうものが皆さんに伝わるといいです。
松田:撮影中も言っていたんですけど、何が正義で何が悪だってことをはっきりさせる映画じゃないし、だからこそ、“まほろ”だなって感じがするんですよね。グレーな部分があって観ている人がどっちにもなれるというか、例えば今回宗教団体でHHFAっていう団体が出てくるんですけど、大体敵みたいな形で描かれることが多いと思うけど、そういうことではなく、誰にでもなりうる可能性があるというか…。便利屋みたいな人になる人もいれば、そうでない人もいる。だから観る人に投げかけている作品だと思うし、“まほろ”って感じです。映画から始まってドラマもやって、キャストもドラマの馴染みのキャストも出演していて、シリーズを観て好きだった人は絶対観て欲しいなと思うし、ただそうでない人も楽しめる作りになっています。前作よりスピード感もあるし、でも本当に“まほろ”が描いているものって、人との距離感ってことなのかなぁ。

―そうですよね。“まほろ”と言えば、すごく独特な間っていうのがありますよね。多田と行天の掛け合いもそうですし、絶妙なこの間。多田と行天の距離感っていうのは、10年来の親友という瑛太さんと松田さんだからこそですか?

瑛太:芝居の間というよりか、そうじゃないところでの2人の精神的な距離感というか、お互いの意識の張り合いというか、そういう空気感っていうのは10年近く付き合ったから出ることもあると思います。でも、多田として、行天としての間、立ちふるまいみたいなところは、意識している訳ではないんで、シーンの描かれ方で独特の間を感じるんだと思います。
松田:あるとも思いますが、だから出来るという訳ではなく、運がいいというか、お互い30歳でこの作品をやれることとか、タイミングが本当に良くて、そればっかりは自分ではどうにもできないことなので。2人でやれる縁みたいものを感じます。ただ、知っているからいいものができるという訳ではなくて、むしろそれが邪魔になることもある。慣れ合いというのがすごく怖いという感覚もありますね。結果的には、良かったなって思っています。

―映画「まほろ駅前多田便利軒」より3年ぶりとなる映画まほろですが、久しぶりに再会した感じは?

瑛太:パート1の映画があった後、ドラマがあり、その後時間が空いて。その間に龍平があの『あまちゃん』とか映画「舟を編む」とかで、行天とは全然違う役を演じていて、次はどんな行天でくるのかと楽しみでした。僕のクランクインは、バス停のシーンだったんですけど、2人でベンチに座っていると「あぁ~。行天だな」って。特にお互いにこの役だからこうしないといけないだとか、改めて緊張し直すというよりかは、スーッと入っていけた感じですね。
松田: 前作の映画まほろが多田の過去の話で、今回は行天が過去と向き合う話だから今までと違う行天を演じたいっていうのはありました。今回はどちらかというと、多田と行天、ボケとツッコミが逆になっている感じで、その感じがやっていて楽しかったですね。

―多田と行天、瑛太さんと松田さん。前作の映画から3年が経っていますが、変化したことはありますか?

続きinformation 映画『まほろ駅前狂騒曲』●公開中ペンキ塗りから買い物代行、遺品整理にボディガードまで…。なにかと柄の悪い街まほろで便利屋を営む多田啓介と、居候の同級生、行天春彦。人生を捨てかけたバツイチコンビのふたりに、かつてない、やっかいな依頼が舞い込む。行天の実娘はるの子守り代行に悪戦苦闘し、謎の元新興宗教団体の隠密調査は、まさかのバスジャック事件に発展!そして多田の淡い恋の行方は…。日本映画賞を総なめにした『舟を編む』の製作陣が贈る、感動の便利屋エンタテインメントが再び登場!!監督/大森立嗣
出演/瑛太、松田龍平、永瀬正敏、真木よう子
配給/東京テアトル/リトルモア©2014「まほろ駅前狂騒曲」製作委員会

瑛太:最初の映画を撮った時は26・7歳だったと思うんですけど、そこから3年経って、原作で描かれている多田の年齢に近づきました。原作の多田はわりと肉体的にはくたびれていたり、精神的にはしっかりと地に足が着いた状態で、前作を撮影した時は、自分で作り出さないといけない気がしていたけど、それがドラマを経て、今回やった時はリアルに自分自身が多田のような状態だと思いました。
松田:撮影が始まって、やっぱり不安はありました。同じ役なんですけど、違うものが見せられたらなってところで、気負みたいなものはありましたね。

―“まほろ”シリーズは、映画、連続ドラマ、そして今回の映画ですが、同じ作品で映画とドラマを経験されて、演じる上での違いや難しさってありますか?

瑛太:ドラマはある意味、ファンタジーに近いなって思いました。自分の中でも、映画のパート1の時って、リアリティみたいなことを結構重視していた気がするんです。でも、台本を読んでいる時に、ファンタジーもしくはコントに近いんじゃないかなって。多田と行天の距離感が分かりやすかったし、第1話からプロレスで、プロレスラーにならないといけないって、実際にあるか~みたいなところから始まっているし。ドラマでは多田と行天の日常みたいな部分が描かれていて、中でいろんな種類のストーリーと色が全然違うものをやっていくと、どんどん自分が多田だから、何してもいいってことになってきちゃうんですよ。もし、やり過ぎたら監督が止めてくれるし、大体は台本を見れば役割はみえてきて、その役割みたいなのをすごく楽しめました。今回映画になった時に、そういうところが体に染み付いているから特に映画だからだとか、映画だからこうしないといけないとか、タツさん(大森監督)の演出だから肩に力が入るとか、そういったこともなく演じることができました。
松田:難しいということは無いですね、監督も違いますし。ただ映画パート1で、個人的に多田と行天の2人の掛け合いがもっと見たいなって思っていたから、それがドラマで描かれて嬉しかったです。大根さん(ドラマ監督)とは初めての仕事だったんですが、色々と話して2人の感じだけでやりたいっていうことを伝えたら、それにのってくれた部分もあって、ドラマは映画とは別物としてやっている感じはありました。今回の映画をやってみて、やっぱりパート1のまほろに帰ってきたなって感じが撮影中すごく感じて、刺激的でした。

―多田と行天がたばこを吸うシーンがまほろシリーズでは多いと思います。最近のテレビや映画ではどちらかというと減りつつあるシーンですよね?

瑛太:これは受け売りですけど、「まほろは時代がある意味、どこかで止まってしまっているんじゃないか」っていう話を聞いた時に腑に落ちたというか、なんか今、そういう事が厳しくなっているけど、実際のところ、たばこを吸う人達もいるじゃないですか。だから、必要なものかどうかっていう判断は難しいんですけど、まほろの世界はこういうもの、っていうのは全然やっていっていいと思うんです。それが違和感なく自然に見えてくれば、実際に原作にあったようなたばこに意味合いが出てくると思います。と、言いながら演じてる方としては、そんなに深くは考えていないんですけど(笑)。でも、繋がりとかで何回も吸わないといけなかったりすると大変ではありますけど。僕個人的にはたばこの芝居は、すごくいいなって思いますね。
松田:逆行したいのかな。皆が皆、右向け右みたいなことだとつまらないっていう、なんか投げかけているんですかね?でも、何回も繋がりで吸うのは結構大変でした。

 

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