• ナッセナビのトップへ戻る
  • interview

二階堂和美 91998年9月、小渕健太郎(写真右)と黒田俊介(写真左)のふたりで「コブクロ」を結成。大阪の路上で出会ったふたりは偶然にも同じ年だった。2001年、「YELL〜エール〜/Bell」でメジャーデビュー。以後、「ここにしか咲かない花」「蕾」などヒット曲を連発。約1年間の休養を経て、2012年7月に復活!2014年5月より「KOBUKURO LIVE TOUR 2014」の開催も決定した。
詳しくはhttp://kobukuro.comをチェック。

技術をひけらかすのではなく、とにかく歌を届けたいんです(黒田)
いまのコブクロの爆発をアルバムでもライブでも体感してください!(小渕)

4年4ヶ月ぶりとなるオリジナルアルバム『One Song From Two Hearts』を発売したばかりのコブクロ。おふたりいわく「爆発」(小渕)と「歌の本質」(黒田)が詰まった傑作には、これまた4年に一度のスポーツ祭典=オリンピックのNHK公式ソングが収められたりもしています。 音楽のことから、休養中の過ごし方まで。おふたりの掛け合いのおもしろさに何度も笑いながら、音楽にかける真摯な思いも聞いてきました。

4年4ヶ月ぶりとなるオリジナルアルバム『One Song From Two Hearts』発売おめでとうございます。アルバム収録中のエピソードがあれば教えてください。

小渕/1年間ほどの休養期間があったというのもあって、ふたりの爆発みたいなものが詰まったアルバムだと思うんですね。レコーディングの前に、僕の楽曲作りでも爆発があって、9日間に18曲も作れてしまったんですよ。メロディだけとはいえ、こんな経験は初めてのことでした。

黒田/僕はレコーディングで爆発……というか、仮眠するスパンが以前よりも短くなりました(笑)。コブクロのレコーディングは、僕の歌入れが終わると小渕が編集に入るんですけど、その作業を待っている間に仮眠をとることはいままでもあって。でも、その間隔が尋常じゃなく短くなってたんですよ。「あ、眠たくなってきた」じゃなくて、歌い終わって、小渕の「OK!」を聞くと、もう落ちるように寝ていました(笑)。

小渕/今回は、歌入れのテイク数も少なかったしね。

黒田/そう。たぶん、スイッチが変わったんですよね。いままでの僕は、マイクのセッティングなどのチェック項目が多かった。でも今回は、フワっと録音ブースへ行ってパッと歌ってシャっ帰って寝るっていう(笑)。よく言うと集中力なんですけど、僕が一番意識したのは、〈いかに小渕が作った曲の主人公になりきるか?〉でした。たとえば、「今、咲き誇る花たちよ」の時なんて、それだけに集中して歌ったあとの手のひらが氷のように冷たくなってたんですよ。ほんの4、5分で極寒のように凍えていて。原因がわからないんで、医者に調べてほしいです(笑)。

小渕/今回の歌入れにおける黒田の爆発は、本当にすごかったです。ただ、僕の立場としては、「OK!」は出したもののどうしても録り直したい2、3の言葉というのはやっぱりあるもの。そんな時に黒田を起こすと「……うん。わかった」と言ってくれるんですけど、その目が、もはやお地蔵さんみたいで(笑)。〈すまん!次は録り直しを頼まなくていいようにするから!〉と心の中で謝っていましたね。

休養期間が今回の「爆発」をうんだようですが、お休みの一番平均的な過ごし方はどんな感じでしたか?

小渕/フルマラソンに挑戦しようと思って、チームみたいなものを作りまして。いちおう、キャプテンみたいな立場だったので、「来週は30キロ目指します!」といった内容のメールをこまめに送っていました。

黒田/で、走ったフルマラソンの記録が?

小渕/3時間47分。

黒田/それがすごすぎるって(笑)。たぶん、陸上経験のない36歳のフルマラソン初挑戦での記録としては、日本で3位に入るんちゃうかと思うもん。

小渕/そういう黒田はなにしてたんだっけ?

黒田/週5でゴルフを(笑)。打ちっ放しも含めてなんですけど、1日に500球も打ってたから、筋肉がついてえらい健康になりました。休養期間中は、カラオケも含めて1ミリも歌わなかったんです。だから、声帯もリフレッシュできて声の調子もよくなって。でも、なにより大きかったのは、さきほどの「気持ちのリフレッシュ」でした。まとわりついていたものが、きれいにはがれ落ちたんです。歌の本質から外れた〈もっとうまく歌いたい!〉とか〈低音を響かせたい!〉とかの思いが消えて、〈届けたい!〉と素直に思えたことが一番大きかったです。

小渕/似たような変化は僕にもありました。僕は黒田に聞かせるという理由がなかったら、一切作曲をしない男なんです。なので、休養中はまったく作曲活動をしていなかったし、最初の半年間はコブクロの音源や映像に触れることもできませんでした。音源や映像のようには歌うことができない時期だったので……。でも、それがさきほどの曲作りの爆発につながったような気がしています。

10月に完全シークレットで開催されたストリートライブも話題となりました。大阪、名古屋、広島、東京で開催されましたが、久しぶりの路上で再発見できたことはありますか?

続きOne Song From Two Hearts アルバム表題曲をはじめとして、タイアップ曲&テーマソングが7曲も詰まった、まるでベスト盤のようなオリジナルアルバム。ハリウッド大作のような壮大な曲から、小津安二郎のような小さな世界観の曲まで、小渕のソングライティングの才が冴え渡っている。しかも、黒田の作詞作曲の「LIFE GOES ON」も大傑作。まさに名盤!■好評発売中
■初回限定盤(CD+DVD)3,600円 通常盤(CD)3,150円
■ワーナーミュージック・ジャパン

黒田/思ってたよりも、はるかに得るものがありました。……ただ、僕はまだその得たものを言語化することができないので、小渕さん、お願いします!

小渕/(笑)。僕らはストリートライブを「道場」とたとえることがあるんですけど、「あぁ、やっぱり道場ってこういうことだよな」と再確認できたのは大きかったかもしれないです。道場って場所だけじゃなくて、そこに師範がいるじゃないですか。ストリートライブも然りで、場所によって師範が教えてくれることが違うんです。大阪では立ち止まってくれた人の反応も自分たちの手応えも良かった。広島も名古屋の師範も「よしよし」みたいにうなづいてくれた。でも、最後の東京の師範は……。

黒田/厳しかったぁ、東京の師範(笑)。小渕の言う3ヵ所までは、「俺らどの道場でもいける!海沿いで歌ってもカモメが喜ぶぞ!」ぐらいの感じで、ちょっと調子に乗っていたんですね。でも、見事に東京で鼻を折られました。やっぱり、ストリートライブという名の道場は、厳しかった。それこそ、休養期間中に再確認できた、歌の本質みたいなものしか通用しない。低音がどうのと技術をひけらかせても届かない。逆に、広島のライブではアルバムのタイトル曲を歌った時に、お客さんの色が変わっていくような手応えがあって。たぶんですけど、歌が届いていた。それまで、バシャバシャと携帯の写メを撮っていたお客さんが、じぃと聞き入ってくれて。そういう歌の本質を再発見できたこと。それがストリートライブでの「思ってたよりも、はるかに得るもの」だったのかもしれません。

ストリートライブでは、小渕さんは、昔のアマチュア時代に愛用していたギターを購入したそうですが?

小渕/そうなんです。シガールというメーカーのギターなんですが、僕らが15年ほど前に投げ銭で暮らしていた当時に使っていたもので。特徴として、とにかく音がでかいんですよ。路上では繊細さは一切通用しないから、その音のでかさがアマチュア時代には、僕らの大きな武器のひとつで……。今回のストリートライブでは、スタッフさんもいないから、当たり前ですけど弦も自分で買ったんです。1300円でした。ギターも、レコーディングで使うものと比べたら10分の1ぐらいの値段なんです。でも、僕と黒田とシガールのギターと1300円の弦さえあれば、お客さんの前で音楽を奏でられる。道場という場所だけでなく、精神的にもその感覚に戻れたのは、貴重な体験でした。

黒田/ただ、小渕がシガールのギターを買ってきて「この音、懐かしいやろ?」と、嬉しそうにガーンとでかい音を鳴らした時は言ってやりましたけどね。「うるさい!室内で弾くギターじゃない!」って(笑)。

アルバムがというより、いまのコブクロが原点回帰しているようで楽しみです。最後に本誌読者へのメッセージをお願いします。

黒田/僕はこういうコメントが苦手なんで(笑)。小渕さん、ビシっとしたやつをお願いします!

小渕/(笑)。「原点回帰」という言葉をもらったんで、久しぶりのストリートライブをやって、ふと思い出したことを最後にお話ししてみます。黒田と出会った頃、彼は旅人でした。僕はサラリーマンでした。ふたりとも歌が大好きでした。そんなふたりだったのに、黒田が「一緒にやってみないか?」と誘ってくれたおかげで、コブクロがうまれたんですね。その時、僕は「会社は絶対辞められない。1週間に1回しかストリートで歌えない。それでもいい?」と答えたんです。黒田は「それでもいい。そのかわり、3年間だけ本気でやりたい」と言ってくれたんですよ。……いま……コブクロの灯火みたいなものが初めて消えた休養期間を経たいま……その頃のふたりにとても近いような気がしているんです。コブクロとして在り続ける理由を歌でガンガン投げつけたい。とにかくふたりで歌いたい。だから、アルバムも5月の全国ツアーも、いまのコブクロの爆発をぜひ、体感してもらえたら嬉しいです。

 

ページトップ